LOGIN———とあるボロアパートの一室。
それは皇との通話が繋がった瞬間だった。彼はいてもたってもいられずに声を上げた。
「だーっはっはっはっはっ!」
その笑い声は歓喜の笑い声だった。また、あいつ———皇の側にいられる、皇を助けることができる。そんな思いで、口がはやる。
「はははっ、聞いたぞ!いや、どこから聞いたかは言えねぇが!覚悟はとっくに決まってんだろ?俺様を頼るんだろ?今夜から寝るところがねぇって話じゃねぇか!はははははっ」
そんないてもたってもいられない風にはしゃぐのは、身長は自動販売機より少し大きいぐらい。茶髪を無造作に後ろで束ねた、少し目つきの悪い———甲斐堂 薊と言う男だった。
薊は通話先で沈黙を保つ皇に対して、出方を待つ。……と、同時に少し過度に明るく接し過ぎたか、とも不安を覚える。
もしかしたら、家族との別れを惜しんでいたかもしれない、もしかしたら、家から離れたくなくて、その現実を受け入れられないのかもしれない。
(ヤベ、ミスったかァ……!?)
薊は内心焦りながら、電話先の反応を待っていれば———。
「ありがたき幸せに存じます、大旦那様! 今すぐ荷物をまとめてご恩にすがりますゆえ、どうかこの私めをお見捨てなくぅぅ」
そんないつも通り、というか、いつもより少しふざけているような皇に内心ホッ、と息を吐きながら言うのだ。
「はっはっはっ、まあ、つっても極狭ボロアパートなのは容赦しろよ?皇んちに比べれば犬小屋もいいところだからな」
「めっそうもございません!広いだけしか取り柄のない我が家と違って様々な知恵と工夫が取り込まれているじゃないですか~」
少しの応酬で皇が気落ちしていないことを確認すれば、薊はその様子にニッ、と口角を上げて言うのだ。
「つーことで、アレか。今日は引っ越し祝いになるのか?」
そう言うと、間が開く。すると、電話先で空気を吸い込む音が聞こえる。
(これは)
それは、皇の考える時の癖だった。そして。
「たし、かに……?ていうことは……?」
「つーことは……」
「「焼肉だぁああああああああああああああぁ!」」
そんな風にハモるのがまた嬉しくて、薊は他の住人の迷惑も考えずにハネた。
そうして、皇と家で焼肉をするかちょっと奮発して店にでも行くか、なんて話をしだす。
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———遊城家皇の部屋。
薊との会話で大分気分も軽くなる。そんな会話の中で思い出すのは薊との出会いだった。
薊との出会いは約10年前、大学1年生の時の一般教養の選択講義だった。
〝では、近場の人とグループを組んでください〟
そんな教授の言葉。だけど、皇と組もうとする人間はいなかった。遊城の家の人間に皆近づこうとしなかったのだ。
理由は簡単だ。遊城の人間は非常に優秀である……つまり、遊城の人間と組むということはその功績を取られる覚悟をしなくてはいけない。そんなことを許せる人間がいなかったのだ。
〝まあ、当然か……〟
そんなことを思いながら、皇は1人でこのグループワークに挑むことを覚悟したそんなとき。
〝お前、1人か?〟
そう声をかけてきたのが薊だった。
皇が遊城の人間であるということも気にせず、声をかけてくれた。そして、それ以降大親友にして悪友として皇のことを助けてくれたり、たまたま皇が薊のことを助けたり———。持ちつ持たれつを続けて今に至る。
「俺が最寄りついたら連絡するから迎えに来てくれないか?」
皇がそう提案すれば薊は唸り声をあげて「でもよぉ」と言うのだ。
「そうすると、30分ぐらいてめぇを待たせることになるぜ?」
「それぐらい構わねーよ。お世話になるのは俺だからな。……それに、どれぐらいでこの魔窟を脱出できるか分からないんだよな」
これは事実。此処から荷物も纏めなければいけないし、なによりこの遊城家という魔窟を抜けるのにどれだけ時間がかかるかは分からない。最悪、難癖つけられて荷物を剥奪されるかもしれない。
すると、薊はそんな皇の事情を察してか知らずか。
「パンツまでなら貸してやれっから」
「いや、コンビニで買うわ」
(誰がなにが悲しくて男友達のパンツを借りるかァ!)
内心そんなことをツッコミつつも。まあ、これぐらいのボケは皇と薊の間では平常運行だった。
「じゃあ、連絡待ってるからな!ビールも冷やしておくからな!連絡しろよ!」
「おう、心ウキウキワクワクしててくれー」
そんなやり取りをして皇は通話を切るのだった。
(なんというか……いつもより薊に気を使われた気がする)
通話を切って、そんなことを思う。だが、皇はそんなことを考えて、まあ、家を追い出された人間が目の前に居たら気は使うか、と1人納得をするのだった。
瑠奈がつけた明るい部屋の中、あまり私物のない自身の部屋を見回す。
この家、遊城家は実力主義だった。欲しいもの、行きたい場所、その全てを勝ち取るには実力を示さなきゃいけなかった。
だから、皇とは違い才能に恵まれた妹や弟は欲しいものができる度に、その実力を示した。そして。
(示せない俺は人として最低限のモノしか与えられなかった)
そんな皇の私物は僅かな私服と遊城の家の長男として表に出るためのスーツが2着、あとは僅かなパンツに成人祝いに情けで送られたブランド財布。あとはさっき瑠奈が置いていった、デメテールのみだ。
それらを小さな旅行用のスーツケースに押し込めば、皇の28年の人生がコンパクトに全て纏まった。
「本来なら寂しさとか感じるんだろうな……」
でも、寂しさは感じなかった。いや、むしろ、薊のおかげだろう。大分気分は晴れていて。
この家を追い出されるのではない、自身から出ていく。それが皇が自身に与えてやれる最上の結末だ。
「ていうか、デメテール転売いけるか……?」
デメテールは発売してそこそこ経って尚、売り切れを頻発させている幻のゲーム機。
これを売り捌けば、2か月ぐらいは働かなくてもいいんじゃないだろうか、という思いが彼の胸をよぎった。
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そうして、皇はスーツケースを転がしながら遊城の家の廊下を歩く。
遊城の長男が予定にない大荷物を転がしながらどこかへ行こうとしているというのに、執事もメイドも気に留めることはなく。
(はは、俺はもう此処には居ないんだな……)
彼はもう遊城 皇ではない。ただの皇、いや、名前すらもう勝手に変えてもいいのかもしれない。そんな彼の頭上から声が降り注ぐ。
「くすくすくす」
「くすくすくす」
それはあからさまな冷笑であり、嘲笑であり———皇の全てを嘲笑っていた。でも、そんな感情を向けてくる相手でも、それは家族で。それは可愛い弟、妹だ。
吹き抜けの廊下から上を見上げれば、予想通り妹と弟と視線が合って。
「いやだ、目があっちゃった」
「能無しが俺たちを見上げる権利があると思ってるんだ」
「生意気」
才能のない者は価値がない。価値がない者が価値のある者に逆らってはいけない。それは遊城の家のルール。
そのルールは皇の骨にも染みついていて、そんな嘲笑をへらり、と皇は受け流した。そして、もうすぐ屋敷の外。これで自由だ、そう思うと足が逸って。浮足立ちながら煙草に火を点けようと、胸ポケットから煙草を取り出し、一本口に咥えて火を点ければ———。
「ちょっと待って」
凛とした声が響いた。
(え、俺を止める人間がいる……?本当にスーツケースすら置いていかされるか?)
そんな心配を抱きながら、皇はゆったりとした足取りで振り向く。
あれから。世界は危機があったことも知らずに平和に日常を回し続ける。---------------------------------------------------------------紅華、悠理、瑠奈によって告発された秋峰。そして、余罪ありとして徹底的なガサ入れがオルドデウス社に入った。当然なのだが世界同士の繋がりが切れたのでAWMにログインはできなくなり、デメテールもただの鉄くずとなり果てた。だが、オルドデウス社の扱いは国も困ったものになったらしい。異世界の存在を公表するか否か、世界が1人の人間によって危機的状況にあったことを公開するか否か、そこに関しては今後とも協議していくことになったそうだ。とはいえ。オルドデウス社は遊城家やその他企業と共謀し人体実験を行っていたことは事実。加えて、デメテールの安全性を保障する際審査員に賄賂を渡していたこともあり、買収など様々な公表できる罪は公表されオルドデウス社は実質の解体、加えて遊城家もその地位を落とした。AWMがなくなったことにより、AWMでの収入で生活していた人間たちは実質無職となり、自己破産などをする人間が増えたことによってAWM不況が起こり社会問題にもなった。もちろん、世界を救ったとされる皇にもそれ相応の聴取が入った。だが、紅華の取り計らいで酷いようには扱われず。また、皇が望んだことにより、皇の存在も一部の人間だけが知るのみとなった。 そして、そんな英雄は———。--------------------------------------------------------------- 皇は晴れてただのフリーターとなりきちんとした職を探すこととなった。 愛鹿からは「下僕正式登用してあげようか?」と言われ、姫沙羅からは「嬉嬉軒に婿入りでどうー?」と言われ、瑠奈からは「あらぁ、ヒモなんてどうかしらぁ?」とかとか色んな誘惑をされたが……流石にそれはどうかと思うと、きちんと地道な就活をすることにした。 だが、皇はAWM事件で地位を落とした遊
そして、ヴィクトが泣きに泣いてようやく涙も枯れ果てた頃。ヴィクトが顔をあげれば、ラフィが足元から消えかかる。「……ラフィッ……」「時間だね。元々私がこうしていられるのはオルドデウスの技術のおかげで、だから、もうそろそろ限界みたい」 ラフィは残念そうに微笑んだ。残念そうなのに、悔いはない。そんな笑み。「ありがとう。最後にさ、スメラギに1つお願いしていい?」 そんな申し出。そんなもの1つじゃなくてもいくらでも受ける。「ああ、なんでも……何個でも言ってくれ……」 また涙が出そうになるヴィクトに対して、ラフィは嬉しそうに微笑んだ。「もし……もし、アキミネがちゃんと約束を守ってて、地下牢でお父様が生きてたら。……私が〝ありがとう〟って言ってたことを伝えてほしいの」 本当に、本当になんの強欲さもない願い。人の子であるから、親に感謝したい、そんな願い。ヴィクトはそれすらも自分で叶えられないラフィの状況に胸を搔き乱される。だが。「ああ、ちゃんと伝える」 ヴィクトはラフィをまっすぐ見て言う。ラフィの願いだ、絶対に叶えて見せる。「あと……これはスメラギに伝えたかったこと。これは此処だけの話、誰にも言っちゃダメよ?」 凄い念を押してくる。「お、おう……?」 そんなヴィクトの反応にラフィは太陽のような眩い笑顔をヴィクトに向けて言うのだ。「愛してるわ!スメラギ。この世界の誰よりもっ!」 そうして、ラフィは光の粒子となって崩れていく。残されたのはラフィの体とヴィクトのみ。 ヴィクトは願う、いや、祈る。(もう誰も、ラフィの眠りを妨げることがありませんように)-------------------------------------------------
「そうだ……オルドスフィアで、ラフィの寿命を……だって、これは神の力なんだろ!?」 ヴィクトは縋るようにオルドスフィアを握りしめる。世界を書き換えるほどの力ならラフィ1人の寿命を延ばすぐらい造作もない筈。造作もなくあってほしい。 だって、1人の少女を救えなくて、なにが神の力だ。 だが、そう取り乱すヴィクトに対してラフィは首を振った。「それはやっちゃダメ。生命の因果を捻じ曲げればどこかに絶対に綻びが生まれる。その綻びが……また、新たな不幸を産み出すから」 ラフィの目は覚悟をしていた。自分が犠牲になる覚悟。 そんなものヴィクトは認めたくない。だけど、ラフィの意思を捻じ曲げてまで側に置いて、ラフィはきっと喜んでくれない。 でも。「でも、そんな……そんな、ラフィの人生は……」 そう嘆くヴィクトに対して、ラフィは穏やかな笑みを浮かべる。全てを受け入れている穏やかな笑み。「……スメラギ、私ね、すこぉしだけ。ほんっとに少しだけ……アキミネに感謝してるの」「え……?」 あのクソ野郎に感謝するところなんてあったか?そんな思いがヴィクトの中を駆け巡る。でも、ラフィが「分からないでしょ?」と悪戯っ子のように笑う姿に嘘はなくて。ヴィクトは目を見開いた。「本来眠っているだけだった私に、この世界の案内人っていう役割と与えてくれたの。アキミネは」 ラフィの穏やかな声が告白する。それはそうだ。「まあ、スメラギたちの世界と異世界との繋がりを作るのに私の力が必要なだけだったんだけど……でも、色んな人を見てきた。なかには私と草原で話すためだけに何個もデメテールを買う人も居た。侵略されたことに感謝なんかしないけど……でも、侵略されなかったらできなかった出会いをした」 穏やかで、静かな声。それは終わる筈だったラフィの人生が少しだけ続いた証。「少しだけ私の人生を歩めた。そして……」 ラフィがヴィクトを見る。ヴィクトを見て心底嬉しそうに笑う。「スメラギともまた会えた。そして、今こうして話せてる。これは間違い
そして、ヴィクトとラフィは様々な世界を修復しながら会話をする。「そもそもね、お父様……ううん、私たちが無防備過ぎたの」「ラフィ、たち、が?」 やることはオルドスフィアを振るだけと言えど、世界を……いや、宇宙を1個ずつ書き換えていく作業。その作業は偉く時間がかかって。 でも、その分、ラフィと会話ができる。皮肉なことに。「うん。最初ね、アキミネって凄い友好的だったんだ。スメラギたちの世界は食糧難とかないんでしょ?」「いや、ない訳じゃないが……うん、少なくとも俺が居た国で食料に飢えてる人は少なかったかな」「うん、アキミネも言ってた。しかも、食料を加工するのが得意な国で、芋や乾燥肉じゃなくても長期保存を利かせる技術もあるって……私たちからすると夢みたいな話だったんだ」 眼下のマザーグースが書き換わっていく。双鹿の作ったお菓子の国ではない姿に、少しずつ少しずつ。「でね、アキミネが友好の証にそれらの食料を国民が冬を越せるだけの分をお送りしましょうって言ってきて……人のいいお父様は素直に信じてしまった」 ラフィが悲しい目をする。「神官たちがアキミネをアンカーにスメラギたちの世界と聖ユリア王国を繋ぐゲートを作った、そこから食料が送られてくるはずだった……だけど」 ラフィが俯いた。「送られてきたのは大量の人間だった。鉄の弾を飛ばす武器、私たちの魔法じゃなす術もなく制圧された、だけど」 ラフィがヴィクトを見る。「あの時、私たちに接触していたのはアキミネだけじゃない。スメラギも。……いや、スメラギは実際にこの国に来てくれていた。だから、私たちは……スメラギに全てを……」 ラフィが俯く。その声は涙に濡れていて。「託した……ううん、押し付けた」 その声は重く落ちる。「スメラギの持っている才能を全て封じて、もう一回聖ユリア王国に戻ってきたときにその力が何倍、何十倍にも膨らむようにして……聖ユリア王国を助けてもらえるようにした」 ラフィは自分を責めるように、声を落とす。
「さて、此処からは世界を解放していくことになるんだが……」 ヴィクトはクロムとアザカに向きなおる。オルドスフィアは持っているだけで、その時必要な知識を与えてくれる。そして、世界を解放するための知識として与えられたのは。「あァ?なんだァ?歯切れ悪いな、てめぇ」「……もしかして、オルドスフィアを持っていないと世界の改変に巻き込まれる、とかか?」 そんなクロムの問いかけにおずおずと頷く。 世界の改変に巻き込まれてほしくはないが、「終わったから帰っていいぞー」はなんかとても薄情なことをしている気がして。そんなヴィクトの気まずい気持ちを感じ取ったのか、アザカもクロムもカラッとした笑みを浮かべた。「じゃ、先戻ってるからよ。ちゃんとてめぇも帰って来いよ?あ、なんかあったらメールしろ。そしたら光の速さで駆けつけてやっからよォ!」「アザカの言うとおりだ。……ヴィクト、姫様を頼んだ」「ああ」 クロムの言葉にヴィクトが頷けば、2人もログアウトしていって。「さて」 ヴィクトはまず、この世界を改変してもいい状態———つまり、現在AWMにログインしているヴィクト以外のプレイヤー及び運営側の人間を全員強制ログアウトさせて、デメテールの機能を停止させる。 そして、次に。オルドデウスサーバーと遊城の実験場に囚われている全ての魂を解放する。 静かな庭園に薔薇の花弁が舞う。そんな幻想的な光景の中、水色の指の先ほどの光の球がヴィクトの周りを飛んだ。「ん……?なんだ、これ……?」 ヴィクトはオルドスフィアでその光の球体に触れれば———。「スメラギ!」「ラフィッ!」 そこには眩しい笑顔で笑うラフィが現れた。「……その姿……」
そうして、時間が動き出す。ヴィクトは足を止め、秋峰に対して真っ直ぐ次元渡りの剣を向けた。 そして、それを横に薙ぐ。「気でも狂ったかッ!?」 そんな秋峰の声なんて気にしない。アザカとクロムの視線も気にしない。 そして、それは起こった。 横一文字に薙ぎ終えた瞬間だった、秋峰の懐、スーツがスーッ、と。まるでバターをバターナイフで切ったかのようにすっぱりと切れた。 すると、そこから勢いよく飛び出してくる水色の宝玉のついた鍵。(あれはッ……!) ヴィクトは直感した。あれは聖ユリア王国の神器の欠片だ、と。 そう判断した瞬間に、ヴィクトは地面を蹴った。そして、同時に。「なっ……渡すものかァッ!」 秋峰もまた走った。両者が手を伸ばしての神器の欠片の奪い合い。「返せッ!俺のものだ!」「お前のものなんかじゃないッ!」 秋峰の手が神器の欠片を上空に弾く。それと同時に、ヴィクトも秋峰も地面を蹴った。だが、秋峰の方が身長が高く、手が長い。(クッソ……!) 届かない、折角、ラフィが作ってくれた———そこまで考えて思い出す。〝スメラギが信じてくれれば奇跡は起こせる。信仰が力になるの〟 ヴィクトが信じれば、奇跡は起きる。それなら。ヴィクトは飛びながら念じた。(来いッ、神器の欠片!) すると、聖ユリア王国の神器の欠片はするりと秋峰の手を伝うように落ち、ヴィクトの手の中に納まる。そして、その瞬間だった。 眩い水色の光が神器の欠片から放たれる。秋峰は地面に落ち、ヴィクトは宙に浮いたまま。ヴィクトを中心にしたその光はクロムやアザカの足まで止めてしまうほど強烈な光だった。 その強烈な目を焼くような光の中、ヴィクトは見る。ヴィクトが保持していた6つの神器の欠片と聖ユリア王国の神器の欠片が次元渡りの剣と溶け合っていく。そして、ヴィクトが正面